プライベート機能の認識ギャップを象徴する出来事として記憶に新しいのが、Google LLCを相手取って米国で起こされた大規模な集団訴訟だ。原告側は、ユーザーがプライベートな状態で閲覧している間も同社がトラッキングツールを通じて個人データを収集し続けていたと主張。同社最高経営責任者(CEO)のサンダー・ピチャイ氏に対する証言録取請求にまで発展し、テック界に大きな波紋を広げた。
この訴訟を経て、同社は数十億件規模の閲覧データの破棄や第三者トラッカーの制限に合意した。あわせて、Google Chromeの新規タブに表示される免責事項の文言も改訂されている。現在では「アクセス先のウェブサイトや雇用主、プロバイダには行動が見えている可能性がある」旨がより率直に明記されるようになった。
巨大IT企業が提供する標準機能であっても、それは「不可視のマント」ではない。サービス提供者側の計測システムと利用者のプライバシー意識との間にある温度差は、法廷闘争を通じて白日の下に晒された。