ヘッドウェア市場の勢力図を語るうえで、ニューエラ・キャップ・カンパニーの存在を外すことはできない。メジャーリーグの公式サプライヤーとして培ったヘリテージは、今やフェミニンなワードローブに欠かせないスパイスへと昇華した。
特にクラウン(帽体の山)が浅く設計された「9TWENTY」などの柔らかなコットンモデルは、女性の頭部に馴染みやすく、かつての硬派なベースボールキャップの概念を軽やかに打ち破った。かつてはストリート系ファッションの専売特許だったロゴ入りキャップを、上質なテーラードジャケットや落ち感のあるサテンスカートに合わせるコントラスト。男性的な無骨さをひとさじ差し込むことで、女性らしさが逆説的に際立つ。そんな計算されたアンバランスさが、現在のストリートの空気を支配している。