私たちが当たり前に扱う数のルールは、歴史上の天才たちによる格闘の産物だ。18世紀を代表する大数学者レオンハルト・オイラーは、その膨大な著作の中で負の数や0を含む代数学の基礎を整理し、数の演算体系を強固にした。
さらに19世紀末、イタリアの数学者ジュゼッペ・ペアノが提唱した「ペアノの公理」によって、自然数と整数の構造は完全に形式化された。数論の世界において、0を偶数として扱うことは恣意的な決め事ではなく、演算の無矛盾性を保つための必然だったのである。
「偶数+偶数=偶数」「奇数+奇数=偶数」といった基礎的な加法の法則も、0が偶数でなければ一瞬で破綻する。たとえば $2 + (-2) = 0$ や $3 + (-3) = 0$。奇数同士、偶数同士を足した結果が0になること自体が、0が偶数である動かぬ証拠となっている。