「性感染症」という分類から、性行為のみで感染すると誤解されがちですが、毛じらみの感染経路は多岐にわたります。感染のメカニズムと潜伏期間の仕組みを正しく把握することが早期発見への第一歩です。
感染の約8〜9割は性交渉時の直接的な皮膚・体毛の接触によるものですが、残りの1〜2割は日常生活における間接接触に起因します。成虫が毛から離れてシーツや布団、バスタオル、ソファーなどに落ちた場合でも、適度な湿度と温度があれば約24〜48時間は生存し、次に触れた人間へと乗り移ります。そのため、家族間でのタオルの使い回しや、簡易宿泊施設、サウナ、カプセルホテルなどの寝具を介して感染する事例が報告されています。
毛じらみの潜伏期間は約1〜2ヶ月(感染した個体数によっては数週間)です。感染直後は成虫の数が少なく自覚症状がありませんが、1日に数個ずつ産卵され、約1週間で孵化(ふか)した幼虫が吸血を開始することで、徐々に耐え難い痒みへと発展していきます。「身に覚えのないタイミングで突然痒くなった」と感じる背景には、この潜伏期間の長さがあります。