長年、アレルギー疾患の治療といえば、抗ヒスタミン薬などで一時的に症状を抑え込む「場当たり的な対応」が主流だった。しかし、臨床医学・アレルギー学の飛躍的な進歩によって、医療のパラダイムは「症状のコントロール」から「発症機序そのものへの介入」へと舵を切っている。その象徴と言えるのが、患者自身の免疫を抗原にならす舌下免疫療法だ。
日本アレルギー学会の指導医であり、この分野の第一人者として知られる海老澤元宏医師をはじめとする専門家らは、早期介入の意義を繰り返し強調する。製薬・バイオテクノロジー企業が開発を進める新たな治療薬の登場も相まって、体質そのものを改善へと導く選択肢は確実に広がった。症状が出てから薬を飲む時代は終わりを告げ、発症の根を絶つ治療計画を立てる時代が到来している。