一口に「亀」と呼んでも、その生存年数は種によって桁違いだ。手のひらに乗る水棲ガメから、人間が跨げる巨大な陸棲種まで、進化の歴史が刻んだタイムスケールはあまりに幅広い。
かつて祭りの屋台やペットショップで広く親しまれたミシシッピアカミミガメ(通称ミドリガメ)や日本のクサガメ、ニホンイシガメといった水棲ガメの平均寿命は、適切な環境下でおよそ20年から40年。小型だからと侮って飼い始めると、人間の成人式を軽々と越える年月を共に過ごすことになる。中型のリクガメであるヘルマンリクガメやロシアリクガメなら30年から50年、大型のケヅメリクガメに至っては80年以上の寿命を誇る。
そして極北に君臨するのが、ガラパゴスゾウガメやアルダブラゾウガメといった巨大種だ。彼らの時間軸は100年を基準として動き、最長記録は200年を悠に突破する。海洋を回遊するウミガメ類も野生環境で50年から100年を生き抜くと推計されており、亀という分類群全体が地球上で最も「時間から取り残された」生物群であることを証明している。