寿命そのものだけでなく、寝たきりを防ぎ自力歩行を維持するために不可欠なのが、膝蓋骨脱臼(パテラ)への対策だ。先天的に後ろ足の関節溝が浅い個体が多い超小型犬にとって、日本の一般的な住宅環境は関節への負担が大きすぎるという現実がある。
滑りやすいフローリングの上を走らせることは、関節に慢性的な炎症を引き起こし、将来的な運動機能の低下を招く主因となる。クッション性の高い防滑マットの敷設や、ソファへの上り下りを防ぐスロープの設置は、贅沢ではなく生命線を守るための必須インフラだ。
後ろ足を一瞬浮かせて歩く、スキップのような不自然な歩行を見せる場合は、すでにグレードが進行している恐れがある。痛みを隠す習性がある犬だからこそ、歩き方のわずかな変化を日常的に観察し、悪化する前に適切なサプリメントの導入や体重管理、場合によっては外科的治療の相談を行う必要がある。