折り紙はもはや芸術の領域にとどまらない。20世紀後半、東京大学名誉教授の三浦公亮が考案した「ミウラ折り」は、航空宇宙工学にパラダイムシフトをもたらした。対角線方向に引っ張るだけで、全体が一瞬にして開閉するこの二方向伸縮構造は、宇宙空間での太陽電池パネル展開に革新を起こした。
現在、宇宙航空研究開発機構(JAXA)をはじめとする宇宙開発機関では、ミウラ折り展開構造プロジェクトの成果をさらに進化させた次世代ソーラーセイルや巨大パラボラアンテナの実用化実験が加速している。直線を折るだけで生まれる剛性と柔軟性の共存。そのメカニズムは、計算幾何学・数理折り紙という先端学問分野を切り拓き、コンピューターアルゴリズムによって「折れない形状は存在しない」レベルにまで到達した。