食の表現がエンタメとして過熱するなか、日本フードアナリスト協会などの専門組織からも、味覚の客観性と文化的な文脈をどう伝えるべきかという議論が活発化している。派手な演出やSNS映えが先行するあまり、本来の味や技術の継承がおろそかになっては本末転倒だからだ。
ドラマ『グランメゾン東京』がかつて鮮烈に描いたのは、三つ星を目指す料理人たちの狂気にも似た情熱と、一皿に込められる哲学の重みだった。フィクションが提示したあの崇高なリアリズムは、現在の食エンタメ界において「本物とは何か」を測る絶対的な物差しとして、今なお強く意識されている。