この異色の店を切り盛りする店主の経歴は、実に異例だ。かつては大手IT企業でシステムエンジニアとして多忙な日々を送っていたという。画面上のコードと向き合う毎日の中で、ふと抱いた「直接人の温もりに触れる仕事がしたい」という想い。それが彼を食の世界へと突き動かした。
脱サラ後、単身イタリアへ渡り、本場のトラットリアで修業を積んだ。そこで出合ったのが、削り立ての生ハムが持つ本物の香りと食感だった。「本物の味を、誰もがお腹いっぱい食べられる日常着の料理として届けたい」。エンジニア時代の精密な分析力と、料理人としての情熱が融合した結果生まれたのが、あの圧倒的なデカ盛りスタイルだったのだ。