では、どうすればシュウ酸を除去しつつ、熱に弱いビタミンCや葉酸を守り抜けるのか。食品栄養科学の実験データが導き出した黄金律は、たっぷりのお湯を使った「短時間ボイル」だ。
管理栄養士の検証によれば、沸騰した湯でほうれん草を30秒から1分程度茹でることで、葉や茎に含まれるシュウ酸の約70〜90%が湯の中に溶け出す。ポイントは、必ず大きな鍋にたっぷりのお湯を用意すること。湯量が少ないと野菜を入れた瞬間に湯温が急激に下がり、茹で時間が伸びてビタミンがどんどん流出してしまう。
茹で方の手順は極めて合理的だ。まず根元だけを熱湯に浸けて15秒、その後に全体を沈めてさらに15〜20秒。全体で1分以上グラグラと煮込むのは厳禁である。短時間のブランチング(下茹で処理)こそが、シュウ酸を効果的に落としながら、ビタミン残存率を最大限にキープする唯一の解なのだ。