手軽に描けて親しまれやすい一方で、商業案件におけるリスク管理とオリジナリティの担保には細心の注意が求められる。フリー素材サイトの規約には商用利用時の点数制限や商標登録の禁止条項が設けられていることが多く、規約違反によるトラブルは後を絶たない。クライアントワークを手掛ける際は、フォントや配色のライセンスを含めた権利関係のクリアリングが不可欠だ。
市場にゆるい絵柄が溢れ返るなかで頭ひとつ抜け出すためには、単に「下手可愛く描く」だけでは通用しない。独自の配色パレットを固定化したり、少しシュールなストーリー性を付与したり、アニメーションやGIFなどの動的フォーマットを取り入れたりといった差別化戦略が求められる。シンプルだからこそ、わずかな線の角度や間の取り方に作者の哲学が残酷なほど露わになるのだ。