物語中盤で一度は別々の道を歩んだ二人だったが、戦争を経て十五年という長い年月が流れた後、運命の再会を果たす。この再登場シーンこそ、本作における最大のクライマックスの一つだった。
再会した星野は、妻を亡くし二人の幼子を男手一つで育てる父親となっていた。かつての青々とした少年のような面影を残しつつも、戦争の傷跡と生活の重みを背負った大人の男へ。坂口健太郎は、その十五年間の空白と苦労を、深みを増した声のトーンと落ち着いた眼差しで見事に表現してみせた。
常子と星野、そして子どもたちと過ごす束の間の穏やかな時間は、失われた青春を取り戻すかのような温かさに満ちていた。しかし、二人が選んだのは再び別れだった。お互いの生き方を誰よりも深く理解し、尊重しているからこその決断。結ばれることだけが愛の終着点ではないという切なくも気高いラストシーンは、多くの大人の涙を誘った。