大正ロマンを代表する画家・竹久夢二が描いた独特の情緒とセンチメンタリズム。そのラインと独特のくすんだ色使いが、現代のイラストレーションで再び脚光を浴びている。どこか切なく、それでいて温かみを感じさせる構図は、現代の和風秋イラストにおける大きな着想源だ。
柿色や抹茶色、あるいは深みのある臙脂(えんじ)色。こうした日本の伝統色をベースに組み立てられる画面は、デジタル画面上でも強い存在感を放つ。フラットな線画の中に和紙のような質感を流し込む技法は、若い世代のイラストレーターの間でも定番の表現アプローチとなった。