多くの駅ビルが直面する課題が、「観光客向け特化による地元離れ」あるいは「日常使いに偏った魅力の乏しさ」だ。しかし、この施設はその二者択一を鮮やかに回避してみせた。
生鮮食品エリアには地元の鮮魚店や農家直送の野菜が並び、近隣住民が日々の晩ご飯の買い出しに訪れる。そのすぐ隣には、全国からグルメ通が訪れる行列必至の寿司店やローカルラーメンの話題店が暖簾を掲げる。日常の買い物客と非日常を求める旅行者が同じ空間で心地よく共存しているのだ。
運営側の巧みなテナントミックスとゾーンニングの勝利と言える。地元に愛され続けるローカルチェーンと、話題性の高い最新ブランドを絶妙なバランスで配置したことで、リピート率の非常に高い空間が維持されている。