毛玉(ピリング)が発生するメカニズムは、日常生活における「摩擦」「静電気」「繊維の強度差」という3つの要素が複雑に絡み合っています。歩行時の腕の振りによる摩擦、デスクワーク時の袖と机の接触、バッグのストラップによる圧迫などにより、布地表面の繊維の先端が毛羽立ちます。その毛羽同士が静電気によって引き寄せられ、絡まり合って小さな球状に凝集したものが毛玉の正体です。
日本繊維製品消費科学会などの知見によると、特にウールやカシミヤなどの天然繊維と、ポリエステルやアクリルなどの化学繊維を混紡した生地は、毛玉が極めて頑固に残留しやすい特性を持ちます。天然繊維100%の場合は毛玉ができても繊維自体の強度が低いため自然に脱落しやすいのに対し、強度の高い合成繊維が混ざっていると、毛玉がしっかりと糸本体に繋ぎ止められたまま生地表面に居座り続けるためです。