書き初めの定番として世代を超えて選ばれ続ける「一意専心」。この言葉が圧倒的な支持を得ている理由は、その語源の深さと書道的なレイアウトの美しさにあります。
一意専心の意味と由来を紐解くと、中国の古代思想書『管子』の内業篇にある「一意専心、耳目不淫」という一節に辿り着きます。「他に心を奪われることなく、ひとつの事柄に全精神を集中する」という澄み切った境地を指しており、新年の抱負としてこれ以上ない明快さを誇ります。
書写の構造的な観点からも、「一」という究極にシンプルな第1画から始まり、「意」「専」「心」と次第に密度と重心が変化するため、用紙の上から下へと視線を誘導するリズムが極めて作りやすいという利点があります。