ほくろ除去を受けた患者が「失敗した」と後悔を抱くケースを分析すると、医学的な医療ミスだけでなく、事前の説明不足による仕上がりのギャップが大きな割合を占めています。主なトラブルの実態は以下の3つに集約されます。
第1に、ほくろ除去後の陥没(クレーター)です。特に平坦な色素性母斑に対して炭酸ガスレーザーや電気メスを用いる際、再発を恐れて母斑細胞が存在する真皮深層まで過剰に蒸散させてしまうと、皮膚の再生能力が追いつかず、凹んだまま傷が治癒します。一度真皮深くまで欠損した組織は完全な平坦に戻りにくく、ファンデーションでも隠しにくい影を作ってしまいます。
第2に、ほくろ除去後の再発です。母斑細胞は皮膚の奥深く(真皮層〜皮下組織)まで木の根のように広がっているケースがあり、表面だけを削り取ると6か月〜1年以内に色素が再び浮き出る現象が起きます。傷跡を浅く抑えようと控えめに照射した結果、細胞を取り残してしまうジレンマが生じるわけです。
第3に、肥厚性瘢痕やケロイドによる盛り上がり・赤みです。体質や施術部位(胸元、肩、フェイスラインなど皮膚の張力が強い場所)によっては、傷を修復しようとする線維芽細胞が過剰に増殖し、元のほくろ以上に赤く硬いしこりが残るリスクを伴います。