シャントの平均耐用年数(開通期間)は、自己血管で約5〜10年、人工血管で約2〜5年といわれますが、個人差が極めて大きいのが現実です。血管が細くなったり詰まりかけたりしても、即座に腕を再手術して別の場所に作り直す必要はありません。
現代の透析医療で主流となっているのが、シャントPTAカテーテル治療(経皮的血管拡張術)です。局所麻酔下で血管内に細いカテーテルを挿入し、先端についたバルーン(風船)を狭窄部位で膨らませて血管の内腔を押し広げます。所要時間は約30分から1時間程度で体への負担が非常に少なく、日帰りで処置を受けられます。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
シャント治療と向き合う上で、患者本人が知っておくべき現実的な判断基準が存在します。
【早期PTA治療を迷わず受けるべき人】
日常のセルフチェックでシャント音の狭窄音に気付いた方や、透析クリニックから「静脈圧の上昇」を指摘された方です。完全に血栓が詰まって固まる前に拡張を行えば、血管へのダメージを最小限に抑え、シャントの寿命と長持ちさせるコツを最大限に実践できます。
【血管アクセス方法の根本的見直しを考慮すべき人】
短期間(数ヶ月以内)にPTA治療を何度も繰り返している方や、血管の石灰化が極めて進行している重度糖尿病患者、重い心不全を合併している方です。無理に同一のシャントを維持しようとすると心臓への血流負荷(シャント心不全)を増大させます。医師と相談の上、人工血管(AVG)への切り替え、上腕での再建、あるいは「長期留置型カフ付きカテーテル」や「腹膜透析」への併用・移行など、全身状態に見合った総合的アプローチを検討すべき局面といえます。