愛知の高校野球を語る上で、中京大中京、東邦、愛工大名電、享栄の「私学4強」の存在を外すことはできない。甲子園での最多勝利記録を保持する中京大中京を筆頭に、春の選抜で圧倒的な強さを誇る東邦、バントや走塁など緻密なスモールベースボールを極めた愛工大名電、そしてプロへ数多くの好投手を送り出してきた享栄。この4校が長年にわたり愛知の頂点を分け合ってきた。
しかし、近年の勝ち上がりは容易ではない。ノーシードで4強同士が早期に激突する組み合わせも珍しくなく、序盤から決勝戦さながらの緊張感が漂う。「愛知を制する者は全国を制す」と評される理由は、まさにこの層の厚さにある。どのチームもスカウティングに余念がなく、対戦相手の癖や球種配分を徹底的に分析。一瞬の油断が命取りとなる極限状態の中で、選手たちは鍛え上げられていく。