内需低迷に苦しむ中国の鉄鋼メーカーが、格安の鋼材を世界市場へ大量に流出させている現実は、北米市場の価格秩序を根底から揺さぶっている。米国政府が相次いで発動した相殺関税や追加関税措置も、第三国を経由して流入する安価な鋼材を完全には防ぎきれていない。
この過酷な市場環境の下、北米の製鉄メーカーは単なる量的な拡大ではなく、自動車用高張力鋼板や建設用特殊鋼といった高付加価値製品への特化を余儀なくされている。世界的なインフレと金利の高止まりが建設・製造業の需要を減退させる中、収益性を確保するための舵取りはかつてないほど困難を極めている。