「ジャスコ(JUSCO)」という名称は、英語の「Japan United Stores Company(日本連合機構商業会社)」の頭文字に由来する。日本各地のローカルスーパーが手を取り合い、巨大な資本に対抗するために生まれた「連邦型経営」の象徴だった。では、半世紀近く愛されたその名前はなぜ消滅したのか。
最大の理由は、多様化する顧客ニーズとブランドの分散化だった。グループ内にはジャスコだけでなく、破綻後に傘下へ入った「サティ」や、かつての業界首位「ダイエー」など、複数の大型スーパーブランドが混在。消費者にとって各店舗の違いが曖昧になり、グループ全体でのマーケティング効率も削がれていたのだ。顧客の混乱を回避し、スケールメリットを最大限に活かすため、慣れ親しまれた屋号を捨て去るという断腸の決断が下されたのである。