これほど高密度なフィッシングスポットでありながら、大阪南港魚つり園護岸は誰もが無料で利用できる公的な護岸施設として維持されている。その根底には、港湾環境の保全と市民へのウォーターフロント開放を両立させてきた大阪市港湾局の粘り強い管理方針がある。転落防止柵の定期的な点検や、緊急用浮き輪の配置といったハード面の整備は隙がない。
同時に、現場の安全意識を支えているのが公益財団法人日本釣振興会などによる啓発活動だ。ライフジャケットの着用義務化は徹底されており、未着用者はゲートをくぐることすら許されない。売店では救命胴衣のレンタルも用意されており、安全に対する妥協は一切排除されている。各地で釣り場の閉鎖や有料化が進む昨今、ルールを守ることで自由な遊び場を守り抜こうとする行政と民間団体の矜持が、この護岸の清潔な足元に色濃く反映されていた。