松居隆一氏の半生を語る上で欠かせないのが、生後まもなく発症した重度の小児アトピー性皮膚炎との闘いです。当時の様子は、松居一代氏の著書やテレビ特番の手記などで生々しく記録されています。
顔や全身の皮膚がただれ、激しい痒みから包帯が手放せなかった幼少期、松居氏は医療機関を奔走しながら徹底した住環境の改善と無農薬・無添加の食事療法を実践しました。「我が子の皮膚を絶対に治す」という母親の並々ならぬ執念と献身的な看護により、隆一氏の症状は奇跡的な回復を見せ、小学生になる頃には健康な肌を取り戻しました。この原体験が、隆一氏の心身の忍耐強さや、物事に徹底して取り組むプロフェッショナリズムの根底にあることは間違いありません。
なお、隆一氏の実父は、かつてDCブランドブームを牽引した有名アパレルブランド「パーソンズ」の元経営者です。両親の離婚により松居一代氏のもとで育てられましたが、実父が持つビジネスセンスやクリエイティブな感性、そして母の類まれなる行動力が、現在の起業家としてのDNAに受け継がれていると推察されます。