日本国内で『スポンジ・ボブ』が長年親しまれている背景には、卓越した日本語吹き替え声優陣の貢献があります。主人公スポンジ・ボブの軽快で甲高い声、そして親友パトリックの絶妙に抜けた掛け合いは、吹き替え版ならではの大きな魅力です。
日本での放送・公開史を振り返ると、スポンジ・ボブ役はシーズン初期の鶴博幸から始まり、長年にわたり松野太紀が魂を吹き込んできました。松野の卓越したアドリブ力とテンポ感は、日本におけるキャラクター像を完全に定着させた功績を持ちます。また、親友パトリック役は谷育子や宝亀克寿、長島雄一(チョー)、かぬか光明といった実力派が歴代担当し、愛嬌あふれるキャラクターを演じ分けてきました。
劇場版第1作『ザ・ムービー』では、劇場のスケール感に合わせたキャスティングや豪華なゲスト声優が起用されるなど、テレビシリーズ版とは細かなニュアンスの差別化が図られた時期もありました。長年のファンにとっては、声優陣の緻密な演技プランの変遷を聴き比べることも映画鑑賞の深い醍醐味となっています。