一の川を訪れるにあたって最も重要なのは、ホタルの見頃時期を冷徹に見極めることです。自然現象である以上、「いつでも飛んでいる」わけではありません。過去5年間の気象データと現地観測記録を照合すると、初夏の一撃とも言える絶妙な鑑賞ウィンドウが存在します。
ゲンジボタルの発生サイクルは、春先の積算気温に大きく左右されます。例年の発生パターンと気象条件の目安は以下の通りです。
ホタルが最も活発に活動するのは、5月下旬から6月上旬の約2週間です。時間帯としては日没後の20時00分から21時15分頃が最大のピークを迎えます。風が弱く(風速2m以下)、月明かりの少ない曇り空で、湿度が高く蒸し暑い夜こそが「ホタルの乱舞」に巡り合える黄金条件です。逆に、気温が低く風が強い日や雨天時は、ホタルは草陰に隠れてしまい光を放ちません。
また、初夏の風物詩として知られる「一の川ほたる祭り」の開催前後は、県内外から多くの観光客が押し寄せます。地元有志による屋台や文化イベントが情緒を添えますが、静寂のなかで光を堪能したい鑑賞派は、祭りのメイン日を避けた平日中盤の夜を狙うのが賢明な立ち回りです。