モンゴル力士の活躍を語る上で欠かせないのが、日本相撲協会が定める制度的ルールの存在です。
相撲協会は現在、相撲部屋ごとに所属できる外国出身力士の人数を「1部屋につき1名」と厳格に定めています(過去の緩和期を経て現在は1名制限)。この極めて狭い門を突破して入門した力士だけが土俵に立つため、日本にやってくる時点で母国における超エリート層に絞り込まれているという構造的要因があります。
また、現役引退後に親方として日本相撲協会に残り、後進の指導や部屋の師匠となるためには「日本国籍の取得」が必須条件となっています。過去には白鵬(現・宮城野親方)、鶴竜(現・音羽山親方)、照ノ富士など、横綱・大関陣が日本国籍を取得して年寄名跡を襲名してきました。
生まれ育った母国の国籍を離脱し、日本国籍を取得するという決断は、個人のアイデンティティに関わる重い選択です。それでも相撲界に骨を埋める覚悟を決めた者たちが、指導者としても大相撲の伝統を受け継ぐ体制が整えられています。