賀茂両社を参拝するにあたり、多くの参拝者が悩むのが「参拝する順番の正解」です。結論から言うと、「下鴨神社 ➔ 上賀茂神社」の順で巡るのが、歴史的・信仰的にも最も自然かつ正統なルートとされています。
両神社の違いと御祭神の血縁関係を整理すると、その理由が明確になります。
- 下鴨神社(賀茂御祖神社・かもみおやじんじゃ):御祭神は「玉依媛命(たまよりひめのみこと)」と、その父である「賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)」。すなわち「親神」を祀る神社。
- 上賀茂神社(賀茂別雷神社・かもわけいかづちじんじゃ):御祭神は、玉依媛命が産んだ雷を分けるほどの強大な霊力を持つ「子神」である「賀茂別雷大神(かもわけいかづちのおおかみ)」。
古代の祭祀儀礼や、毎年5月に行われる日本三大勅祭の一つ「葵祭(賀茂祭)」の巡行においても、勅使行列はまず御所を出発して下鴨神社(前儀・親神)へ参進し、その後に上賀茂神社(後儀・子神)へと向かう儀礼構成が守られています。親神へ敬意を払い、その後に子神の強大な厄除けパワーを授かるという流れが、古来からの美しい参拝作法です。
【プロの結論】旅程に合わせたおすすめ判断基準
もちろん、観光スケジュールの都合(ホテルの位置や電車の接続)によって「上賀茂神社 ➔ 下鴨神社」の順序になったとしても、不敬にあたるような禁忌ではありません。しかし、京都の神話の物語性や御朱印巡りの満足度、美しい景観の移り変わり(原生林の糺の森から広大な芝生と清流の上賀茂へ)を味わうなら、下鴨神社スタートを強く推奨します。