視線が惹きつけられるイラストと、どこか物足りないイラストの違いは、鑑賞者の「視線追従の心理メカニズム」を計算できているかどうかにあります。人間は他者の顔を見る際、まず相手の瞳の「コントラストが最も高い部分」に視線を固定し、そこから感情を読み取ろうとします。
したがって、線画全体の線の太さにメリハリをつけ、「目頭から目尻にかけての主線」に最も強い筆圧と濃度を与えることで、鑑賞者の視線を瞬時に顔の中心へと惹きつけることが可能になります。逆に、輪郭や髪の線と同じ均一な太さで目を描いてしまうと、視線が定まらずぼやけた印象を与えてしまいます。
画力を確実に向上させるための判断基準として、以下の練習アプローチをおすすめします。
■ 劇的に上達する人(向いている練習法)
・目だけを単体で練習せず、常に「簡易的な頭部のアタリ(球体やボックス)」と一緒に描く人
・自分の好きな作家のイラストから「光源の位置」と「アイラインの曲率」をデッサン的に分析できる人
・キャンバスの左右反転を躊躇なく行い、違和感を早い段階で修正する習慣がある人
■ 上達が停滞しやすい人(見直すべき描き方)
・キャンバスを極限まで拡大し、細部のまつ毛やハイライトの塗り込みだけに何時間も費やす人
・正面顔の片目だけを完璧に仕上げてから、もう片方を後から合わせようとする人
・立体構造を把握せず、表面的な記号のトレースのみを繰り返している人