Yahoo!ファイナンスの三菱商事掲示板を定点観測すると、数ある東証プライム銘柄の中でも圧倒的な投稿密度を誇っていることが分かります。書き込みの内容をテキストマイニングの手法を交えて分析すると、相場環境の変化に応じて投資家の心理が極端な二極化を示している実態が浮かび上がってきました。
一方に見られるのは、新NISAを契機に参入した長期志向のホルダーによる「累進配当だから一生放置」「下げたら喜んで買い増す」という極めて強固なバイ・アンド・ホールド派です。彼らにとって三菱商事は定期預金代わりのインカム源であり、短期の調整局面はむしろ歓迎すべきバーゲンセールと捉えられています。
しかし、もう一方の勢力として急速に存在感を増しているのが、ボラティリティに耐えきれず狼狽する短期トレーダー層です。「決算でコンセンサス未達、明日はストップ安か」「資源価格が急落しているのに配当は本当に維持できるのか」「含み損に耐えられない」といった恐怖を煽る投稿が散見されます。公の場での決算説明会や報道各社の取材データが示す冷静な事業実態とは裏腹に、掲示板内ではわずか1〜2%の日中下落であっても「終わりの始まり」といった過激な言説が拡散しやすい環境が形成されています。
この過度な感情の振れ幅は、投資家の属性が大きく変容したことに起因します。かつて機関投資家や富裕層が売買の中心であった時代から、小口の個人投資家が大量に流入した結果、掲示板の空気が市場全体のセンチメントを増幅させるメガホンとして機能してしまっているのが現実です。