法的な縛りがないため、極論を言えば今日から誰でも「建築家」を名乗ることができます。では、実際に建築士資格なしの建築家が実務を行う場合、どのように建物を完成させるのでしょうか。
資格を持たない建築家が個人邸や商業施設を設計する場合、意匠コンセプトや間取りのアイデアを本人が考案し、法的責任を伴う建築確認申請や構造計算、詳細な実施設計は提携する外部の一級建築士事務所や工務店に委託する体制を取ります。世界的巨匠であるル・コルビュジエや安藤忠雄氏のように、独学や異分野から出発して歴史に名を残した表現者も存在します。
なお、混同されやすい職種に「空間デザイナー」や「インテリアコーディネーター」があります。空間デザイナーは主に店舗内装や展示ブース、商業空間の演出・装飾を担うのに対し、建築家は建物の骨格・構造・外観から敷地全体の配置計画までを総合的に統括する点に明確な境界線があります。