フラワーショップでアイスランドポピーを購入した際、「飾って数時間で首が垂れて萎れてしまった」という声を耳にします。これはケシ科植物特有の生体反応によるものです。
アイスランドポピーの茎を切断すると、傷口から白い乳液が分泌されます。この乳液が水中で固まると、水を吸い上げる導管を塞いでしまい、深刻な水下がりを引き起こします。切り花を1週間以上美しく保つための「湯揚げ法」の手順は次の通りです。
- 水中で茎を斜めにカット:切れ味の良い園芸バサミを使い、水中で茎をスパッと斜めに切ります。
- 花と葉を保護:蒸気による熱傷を防ぐため、花頭から茎の上部までを新聞紙でしっかり巻き込みます。
- 熱湯に茎先を浸す:80℃〜熱湯に、茎の切り口から1〜2cmほどの部分を約10〜20秒間浸します。乳液を熱で溶かして導管を開通させ、同時に殺菌を行います。
- 冷水で急冷し深水管理:すぐに冷水を入れたバケツ等に移し、2〜3時間ほど深い水に浸けて休ませます。
花壇や自生地における開花時期は2月下旬から5月中旬にかけてです。露地栽培では4月上旬から5月上旬が最盛期となり、全国のフラワースポットで圧巻の景色が広がります。例えば「国営昭和記念公園」(東京都)や「国営ひたち海浜公園」(茨城県)、西日本屈指の規模を誇る「淡路島国営明石海峡公園」(兵庫県)などでは、春の風物詩として広大なアイスランドポピー畑が整備され、見渡す限りのパステルカラーが一面を覆い尽くします。