キッサコおよび薬師寺寛邦氏の名を一躍世界へ知らしめたのが、2018年にYouTubeへ投稿された「般若心経(Heart Sutra)」のコーラス&アコースティックアレンジです。それまでの「厳かで近づきがたい読経」というイメージを覆し、ギターの心地よいループ、多重録音による重厚なコーラスワーク、エレクトロニカやアンビエントの手法を取り入れたサウンドは、瞬く間にネット上で拡散されました。
特に爆発的な広がりを見せたのが、台湾、香港、中国本土をはじめとする中華圏や東南アジア、さらには欧米諸国でした。動画のコメント欄には英語、中国語、スペイン語など世界各国の言語で書き込みが殺到。「聴いているだけで不安が消えていく」「不眠症だった夜にこの曲を流したら自然と涙が出て眠れた」「宗教に関係なく、純粋な癒やしのアートとして素晴らしい」といった絶賛の声が寄せられています。
仏教の聖典である般若心経が持つ独特の韻律と、現代的なチルアウト・ヒーリングサウンドが絶妙なバランスで調和したことで、単なる宗教音楽にとどまらない「現代人のメンタルヘルスを支えるメディテーションミュージック」として世界規模の認知を獲得したのです。