本作のドラマツルギーを支えているのは、主役カップルを取り巻く血の通った群像劇です。登場人物それぞれの思惑と葛藤が緻密に絡み合っています。
ユ・ジホ(チョン・ヘイン):大学時代の恋人との間に生まれた息子ウヌを育てる薬剤師。温厚で思慮深い性格ながら、心の内には深い孤独と世間に対する引け目を抱えています。ジョンインと出会ったことで、眠っていた感情と男としての責任感を呼び覚ましていきます。
イ・ジョンイン(ハン・ジミン):地域図書館に勤める司書。自分の価値観と生活を大切にする現実主義者です。ギソクとの4年間にわたる交際に情熱を感じられなくなっていた矢先、二日酔いの薬を買いに訪れた薬局でジホと出会い、激しく心を揺さぶられます。
クォン・ギソク(キム・ジュンハン):ジョンインの長年の恋人で、裕福な家庭に育った銀行の融資課長。愛情というよりも「適齢期だから」「条件が揃っているから」という執着でジョンインを繋ぎ止めようとします。ジホが大学の後輩である事実を知り、プライドを傷つけられ激しく抵抗しますが、自らの慢心に気づかされていきます。
ジョンインの三姉妹:DV夫との離婚調停に立ち向かう長女ソイン(イム・ソンオン)の苦闘は、結婚の現実と家父長制の暴力性を浮き彫りにします。自由奔放な三女ジェイン(チュ・ミンギョン)は姉たちの息苦しさを風通しよく解き放つトリックスターとして機能し、物語に鮮やかな立体感を与えています。