「待ちきれずに電源ボタンを長押ししたら、二度とWindowsが立ち上がらなくなった」――知恵袋やSNS、ITサポートコミュニティには、焦燥感に駆られて強制終了を実行したユーザーの悲痛な報告が無数に寄せられています。
ある企業の社内情シス担当者は、当時の生々しい対応記録についてこう振り返っています。
「月曜日の朝一番、社員から『30分待っても起動しないから電源を切った』という連絡が殺到しました。現地に駆けつけると、半数以上のPCでシステムファイルが破損し、黒い画面に『No bootable device』や『自動修復を準備しています』の文字が空しくループする状態に陥っていました。再インストールを余儀なくされ、復旧に丸二日を要した端末もありました」
なぜ、強制電源断はこれほど致命的な事態を招くのでしょうか。OSがシステムファイルを上書きしている最中に突然電源を断たれると、新旧のプログラムコードが中途半端に入り混じった壊滅的な状態(アトミック性の破綻)が発生します。特にブートセクタ(EFIシステムパーティション)やマスターファイルテーブルの更新中に切断された場合、OS自身が自らの起動手段を見失ってしまうのです。
電源を切る前に絶対に行わなければならないのが、PC本体に備わっている「ディスクアクセスランプ(ストレージランプ)」の目視確認です。
円筒形のアイコンや電球マークの横にある極小のLEDランプに注目してください。このランプがオレンジや青色に高速でチカチカと点滅している、あるいは激しく明滅している場合、ストレージは全速力で読み書きを行っています。画面が何時間静止していようとも、アクセスランプが激しく点滅している間は、絶対に電源を切ってはいけません。逆に、ランプが完全に消灯したまま数分間ピクリともしない場合、あるいは規則的なインターバルで一定のパターン点滅を繰り返すだけの場合は、処理がデッドロックに陥っている(本当のフリーズ)と判断できます。
※なお、最近の薄型ノートPC等でアクセスランプが省略されているモデルの場合は、冷却ファンの回転音や排熱口の温度を確認します。ファンが激しく回転し温風が出ているなら内部処理中、ファンが完全に静まり返り熱も感じられない場合は、プロセスが停止している可能性が高いと考えられます。