多くの受験生が抱く「この1冊でどこまで戦えるのか」という問いに対する結論は、志望校のレベル帯によって明確に分かれます。結論から言えば、地方国公立大学(金沢大、岡山大、広島大、熊本大など)やMARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)、関関同立、四工大(芝浦工業大など)であれば、『良問の風』を完全に血肉化するだけで確実に合格者平均点以上の得点力を確保できます。
全統記述模試における到達レベルは偏差値60〜65がひとつの目安です。本書に収録されている問題は、各大問が複数の小問で構成され、入試本番で「確実に取らなければならない標準題」を過不足なくカバーしています。難問奇問を排除し、物理の本質的な解法パターンが問われるため、標準的な国公立二次試験において7割以上の得点率を叩き出す基盤が完成します。
しかし、東京大、京都大、東京科学大(旧東工大)、大阪大といった旧帝大上位校や、早稲田・慶應義塾の理工学部を目指す場合、話は別です。これらの大学では、複数の物理現象が複雑に絡み合う融合問題や、誘導なしで解法の筋道をゼロから構築する高度な応用力が問われます。『良問の風』単体では思考の深さと計算負荷への耐性が不足するため、過去問演習や上位問題集への接続を挟まなければ太刀打ちできません。