和歌山県串本町・紀伊大島に位置する白野海水浴場が、なぜ全国のダイバーやシュノーケラーを惹きつけてやまないのか。その最大の理由は、黒潮の恩恵をダイレクトに受ける水質の圧倒的な透明度と、浅瀬に広がる高密度なサンゴ礁群落にあります。
串本町須江地区のリアス海岸が形成する入り江は、外洋の荒波を適度に遮りつつも常に新鮮な海水が循環する構造になっています。観光協会の広報データや現地ダイビングガイドの証言によると、ベストコンディション時の透視度は15〜20メートルを超え、波打ち際から数メートル泳ぎ出すだけでテーブルサンゴやエダサンゴの群生が眼下に広がります。本州でありながらソラスズメダイの鮮烈な青やチョウチョウウオ、時にはウミガメや回遊魚に遭遇できる特異な生態系こそが、この地を「本州の楽園」たらしめている根源的な魅力です。
砂を巻き上げない岩礁地帯であることも、高い透明度を維持できる大きな要因となっています。砂浜特有の濁りが生じにくく、フィンキックの技術さえ身につけていれば、まるで宙に浮いているかのような浮遊感を誰でも手軽に味わうことが可能です。