長年、受験生指導にあたっている大手予備校の関係者や現役高校教員の証言によると、「中国王朝の歌や語呂合わせを完璧に歌えるようになった生徒の約4割が、直後の模擬試験で点数を伸ばせない」という奇妙な現象が頻発しています。大手教育情報サイトのアンケート調査やSNS上の受験生コミュニティに寄せられたリアルな体験談を分析すると、その原因が鮮明に浮かび上がってきます。
大手知恵袋や受験生向けフォーラムに投稿された以下の手記は、丸暗記に潜む典型的な落とし穴を如実に物語っています。
「アルプス一万尺の替え歌を完璧に覚えて鼻歌で歌えるようになり、中国史はもう完璧だと思い込んでいました。しかし模試を受けた瞬間、頭が真っ白になりました。『唐の均田制崩壊と同時代に起こったイスラーム世界の出来事を選べ』とか『宋代の商業発展に伴う交子の流通』といった問題が出題され、王朝の名前を順番に言えるだけでは1点も取れなかったのです。歌はあくまで目次に過ぎないと思い知らされました」(進学校出身・法学部現役進学者の合格体験記より抜粋)
この証言が示す通り、世界史の中国史暗記法における歌や語呂合わせは、脳内に巨大な本棚の「インデックス(見出しタグ)」を貼り付ける作業に過ぎません。インデックスが完成した後に、それぞれの棚へ「政治制度」「文化」「対外関係」という分厚い本を格納していかなければ、実戦の得点力には結びつかないのです。