7月8日という日付が検索エンジンのトレンドを席巻し続ける最大の理由は、2022年7月8日午前11時31分に奈良市の近鉄大和西大寺駅北口で発生した、安倍晋三元首相銃撃事件の爪痕があまりにも深いからです。参院選の街頭演説中、背後から接近した男が自作のパイプ銃を2度にわたって発砲。第2射が首と胸を貫通し、同日夕刻に搬送先の病院で死亡が確認されました。憲政史上最長となる通算在任日数3188日を誇った首相経験者の暗殺は、瞬く間に世界中へ速報として打電されました。
警察庁が後に公表した警備検証報告書では、警護員(SP)と奈良県警の連携不足、後方警備の致命的な空白、そして第1射から第2射までの「魔の2.7秒」における制圧動作の遅滞が明確に指摘されました。当時の演説現場に居合わせた報道カメラマンの手記には、「乾いた発破音のような1発目の直後、誰もが状況を呑み込めず一瞬の静寂が訪れた。振り返った安倍氏に迫る白煙と第2射の轟音こそが、日常の崩壊を告げる合図だった」と生々しい証言が残されています。
さらに歴史を紐解くと、この日付には奇妙な符号が存在します。旧暦から太陽暦に換算した際、江戸幕府を震撼させ開国への扉をこじ開けたマシュー・ペリー率いる米艦隊の浦賀来航は嘉永6年6月3日、すなわち西暦1853年7月8日です。また、京都三条木屋町の旅籠で新選組が尊王攘夷派の志士たちを急襲した池田屋事件も、元治元年6月5日、西暦に直すと1864年7月8日に発生しています。国家の根幹を揺るがし、時代のフェーズを強制的に切り替えた激動の結節点が、偶然にも7月8日に折り重なっています。