無料予想サイトが提示する的中実績のバナーを見て、多くの読者が「これなら自分も勝てる」と信じ込んでしまう背景には、人間心理の根深い認知バイアスが作用しています。
行動経済学や認知心理学の分野では、ランダムに発生する事象の中に特定の法則性を見出してしまう現象を「クラスタリングの錯覚」や「アポフェニア」と呼びます。例えば、サイコロを振って偶数が3回続いたとき、「次は奇数が出るはずだ」と思い込む「ギャンブラーの誤謬」はその典型例です。抽せん機である電動風車盤の矢の軌道は毎回リセットされる独立試行であるにもかかわらず、人間は過去の履歴に意味を求めてしまいます。
さらに、SNS上で見られる「達人の買い目で当たりました!」という絶賛の口コミには、強烈な「確証バイアス」が働いています。100人のユーザーが同じ予想を買い、95人が外れて5人がボックス当選を果たした場合、声を大にしてネットに投稿するのは勝った5人だけです。沈黙した95人の敗北は見えなくなり、第三者の目には「利用者の大半が当たっている」かのように映るのです。
悪質な情報商材アカウントの場合、毎日数十通りの買い目を複数のグループに分けて配り、どれか1つが的中した瞬間に「完全的中!」と実績を捏造する手口も確認されています。「かなり当たる」という言葉の裏にある心理的演出とサンプリングの偏りを冷静に見抜くリテラシーが求められます。