平安時代の平均寿命は30歳?貴族と庶民の格差や早逝の真相を解明

平安時代の平均寿命は30歳?貴族と庶民の格差や早逝の真相を解明

平安時代の平均寿命は30歳?貴族と庶民の格差や早逝の真相を解明とは一体何なのか? 主要なファクトを整理してお届けします。

平安時代の人々を最も苦しめたのは、現代では考えられないような衛生環境と病気への無理解でした。

貴族階級の寿命を縮めた最大の要因のひとつが、贅沢な食生活による栄養の偏りです。当時の貴族は、精白された白米を主食とし、仏教の影響から獣肉の摂取を避けていました。さらに魚や野菜も加熱調理・塩漬けされたものが中心で、ビタミンB1が極端に不足していたのです。その結果、手足のしびれや心不全を引き起こす「脚気(かっけ)」が貴族の間で大流行しました。

また、当時の医療水準は極めて低く、病気の原因は「怨霊」や「物の怪」の仕業と信じられていました。名医による診察よりも陰陽師や僧侶による加持祈祷が優先され、適切な処置が施されないまま悪化するケースが日常茶飯事でした。庶民の間では、天然痘(疱瘡)や赤痢、マラリア(当時の呼び名で「瘧・わらわやみ」)といった感染症が周期的に大流行し、ひとたび疫病が発生すれば村単位で人口が激減するほどの惨状が広がっていました。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。