コンクールの結果発表直後には、SNSやネット掲示板で「なぜあの名門が銀賞なのか」「審査に地域的な偏りがあるのではないか」といった感情的な声が散見されることがあります。しかし、吹奏楽連盟の厳格な運営規定と審査の構造を知れば、そうした憶測の多くが的外れであることが理解できます。
その最たる例が、審査員に対する厳しい倫理規定です。茨城県吹奏楽連盟の公式大会規定では、審査員が公表された後、各大会が完全に終了するまでの間、当該年度の審査員に対して部活動の外部指導やレッスンを依頼すること、指導を受けることが明確に禁止されています。審査員は先入観を排し、大会当日のステージ上で鳴り響いた12分間の演奏そのものだけを評価するシステムが徹底されています。
また、近年特に顕著なのが「前評判と当日の演奏コンディションのギャップ」です。夏場の長距離移動や過密なリハーサル日程、ホールの湿度や空調の変化は、繊細な木管楽器のリードや金管奏者の唇の疲労に直接影響を与えます。過去の実績がどれほど優れていても、当日のステージでピッチやアンサンブルに狂いが生じれば容赦なく点数は削られます。これこそがコンクールの残酷さであり、同時に一切の忖度がない真剣勝負である証拠と言えます。