「磯臭さが鼻について箸が進まない」「口当たりがぬるっとして苦手」という失敗は、茹でる前の前処理によってすべて解消できます。板前の現場で実践されている、臭みを極限まで断ち切るプロの手順をステップ形式で解説します。
つぶ貝の下処理とアブラ取りにおいて最も重要なのは、生のうちに処理するか、茹でてから処理するかの見極めです。生食(刺身)にする真つぶなどは生のうちに殻を割って処理しますが、家庭で塩茹でにする一般的な青つぶ貝などの場合は、「殻ごとサッと短時間下茹でしてからアブラを取り除く」手法が圧倒的に手早く、身崩れも防げます。
具体的な下処理の手順は以下の通りです。
- 殻の洗浄:殻の表面には細かな砂や藻、付着生物が残っています。タワシを用いて流水下で貝殻同士を擦り合わせるようにしっかりと洗浄します。
- 塩水での下茹で:3%濃度の塩湯で規定時間(中型なら3〜4分)ボイルし、ザルに上げて粗熱を取ります。
- 身の引き出し:身のふた(茶色く硬い円形の皮)の隙間に竹串や千枚通し、フォークを差し込み、貝の螺旋構造に沿ってゆっくりと回しながら引っ張ると、内臓まで途切れずにツルンと抜けます。
- ふたと唾液腺の除去:硬いふたを包丁で切り落とし、足を縦に半分に切り開きます。露出した乳白色の唾液腺(アブラ)を指で押し出し、包丁の背や刃先で丁寧にこそぎ落とします。
- つぶ貝のぬめり取りと塩もみ:唾液腺を取り除いた身をボウルに入れ、大さじ1〜2杯の粗塩を振りかけます。指先で円を描くように1〜2分間強く揉み込むと、身から大量の白濁したぬめりと臭み成分が浮き出てきます。
- 流水洗浄と水気拭き取り:水でしっかりと塩分とぬめりを洗い流し、最後に清潔なキッチンペーパーで水分を完全に拭き取ります。
このつぶ貝のぬめり取りと塩もみを徹底することで、貝の表面が引き締まり、噛んだ瞬間に心地よい「パキッ」とした小気味よい食感が生まれます。下処理を怠った貝とは、香りの澄み渡り方が歴然と異なります。