バナナの降圧ポテンシャルを語る上で、絶対に軽視してはならない致命的な注意点が存在します。それが慢性腎臓病(CKD)や腎機能低下を指摘されている方のカリウム過剰摂取リスクです。
健康な腎臓であれば余剰なカリウムは速やかに尿中へ排出されますが、糸球体濾過量が低下している場合、カリウムを体外へ逃がすことができません。その結果、血中カリウム濃度が危険水準まで跳ね上がる「高カリウム血症」を引き起こします。自覚症状が乏しいまま進行し、手足のしびれや嘔吐にとどまらず、重篤な不整脈や心停止を誘発する恐れがあります。腎疾患の持病がある方や人工透析中の方は、医師の食事指導を無視してバナナを常食することは絶対に避けてください。
また、インターネット上には「バナナさえ食べれば降圧剤を飲まなくてよくなる」といった極端な言説が散見されますが、これは明白な医療デマです。すでに重度の高血圧症と診断されている方が、自己判断で処方薬を中断して食品頼みにシフトすることは、脳卒中や心筋梗塞のリスクを跳ね上げる極めて危険な行為です。バナナはあくまで「基盤となる食事療法の一環」であり、投薬治療を否定・代替するものではありません。