人間には、外見の目立つ特徴からその人の性格や内面を一括して判断してしまう「ハロー効果」や、自分の思い込みに合致する情報ばかりに目が行く「確証バイアス」という心理的傾向があります。
「自閉症特有の顔がある」と思い込んでいる観察者は、無表情な人や視線が泳いでいる人を見た瞬間に「この人はASDに違いない」とラベルを貼り、逆に笑顔が豊かで目を見て話すASD当事者に出会ったときには「この人は自閉症ではない」と決めつけてしまいます。
こうした外見バイアスは、以下のような深刻な実害をもたらします。
・診断や支援の遅れ:愛嬌があり笑顔を見せる子どもは、集団生活で深刻な困難を抱えていても「顔立ちがしっかりしているから大丈夫」と見過ごされやすい。
・二次障害のリスク:「無愛想」「冷たい」と周囲から理不尽な叱責を受け続けることで、自己肯定感が著しく低下し、うつ病や適応障害を併発する。