「手で絞るのと何が違うのか?」という疑問を抱く人は少なくありません。最大の差は、レモンの果肉組織である「砂瓤(さじょう)」を物理的にどこまで効率よく破砕・圧搾できるかにあります。
人間の握力による手絞りでは、果皮の弾力に力が吸収されてしまい、中心部や皮のキワにある果汁袋の多くが潰れずに残ります。一般的なMサイズレモン(可食部約100g)を手絞りした場合、得られる果汁量は平均約25〜30ml程度にとどまります。一方、突起部で果肉を押し広げる山型絞り器や、てこの原理を応用したプレス型のハンドジューサー(レモン用)を使用すると、果汁量は約38〜45mlまで増加します。同一の果実から得られる果汁量が実質1.3倍〜1.5倍に跳ね上がる計算です。
さらに重要なのが「味の純度」です。手で無理にねじり絞ると、外皮(フラベド)に含まれる強い油分や、内側の白いワタ部分(アルベド)に含まれる苦味配糖体「リモニン」が果汁に混入し、エグみが生じやすくなります。優れたシトラスジューサー(手動)は、果肉の袋だけを的確に圧搾するため、雑味のないクリアで爽快な酸味を引き出せる構造になっています。