「経済的に厳しく数百万円も払えない」「形式的な戒名にお金をかけるなら遺族の生活費に残したい」と考える人が増えています。しかし、先祖代々の墓がある「菩提寺(ぼだいじ)」を持つ家の場合、独断で「戒名はいらない」と突っぱねると深刻なトラブルに発展しかねません。
よくあるトラブルが、寺院側から「戒名を付けないなら納骨を拒否する」「先祖と同じランクの院居士でなければ一族の墓に入れられない」と宣告されるケースです。寺院側にも宗教法人としての規約や宗風があり、教義に従わない遺骨の受け入れを断る正当な権利が法的に認められています。
もし菩提寺から提示された金額が高すぎると感じた場合は、決して喧嘩腰にならず、次の手順で角を立てずに相談してください。
【高額な戒名料を回避する交渉手順】
- 通夜・葬儀の前に予算を伝える:戒名が正式に授与・確定してから「高すぎるから安くしてほしい」と値切るのは極めて失礼にあたります。必ず戒名をつける前の段階で相談します。
- 家庭の経済状況を率直に明かす:「昨今の事情でどうしても工面が難しく、身の丈に合った一番下のランク(信士・信女)でお願いしたい」と住職に誠意を持って伝えます。まともな僧侶であれば、事情を聞いて無理強いすることはありません。
- 先祖の戒名とのバランスを確認する:先祖が「院居士」であっても、現代の経済的事情から「信士」に下げること自体は宗教上問題ありません。「先祖に申し訳ない」と寺院側から言われた場合は、「故人の遺志として簡素な供養を望んでいる」旨を丁寧に説明しましょう。