最終回を迎えた直後から、ネット上では「最高に清々しいラスト」という絶賛と、「えっ、どっちとも結ばれないの?」「どうしても納得いかない」という落胆の声が二分しました。視聴者がこれほど強いモヤモヤを抱いた背景には、本作が提示したラブコメディとしての高い完成度と、物語の根本テーマとのギャップが存在します。
放送当時、視聴者の多くは「モラハラ気味だった慎二が改心して結ばれる復縁ルート」か、「危険なヤバい男だったゴンが本気の一途さを手に入れる救済ルート」のどちらかを強く期待していました。高橋一生と中村倫也の鬼気迫る演技力によって両キャラクターの魅力が極限まで高まっていたため、どちらのエンドになってもカタルシスが得られる土壌が完全に整っていたのです。
しかし、ドラマが選んだ結末は「どちらも選ばない」という選択でした。空気ばかり読んで他人の顔色を伺ってきた凪にとって、誰かの彼女になることや誰かに守ってもらうことは、再び「他人の軸で生きる状態」へと逆戻りするリスクを孕んでいます。物語の着地点としては極めて誠実かつ論理的である一方、金曜ドラマの王道胸キュンラブストーリーを純粋に楽しんでいた層にとっては、「梯子を外されたような寂しさ」を残す結果となりました。