SNSや動画サイトで定期的に拡散される「傘のビニール袋やプラスチック片を鍵穴に差し込んで回すと簡単に開く」という開錠トリック。この手法の真偽について、自転車安全整備士や錠前メーカーの現場取材から見えてきた現実は極めてシビアです。
この裏ワザが成立するのは、1990年代から2000年代初頭にかけて製造されたプレスキー式(板状の単純な鍵)の旧型リングロックに限られます。内部のピン構造が極めて単純で隙間が広かった時代の製品であれば、薄いビニールがピンを偶然押し下げてロックピンが後退することがありました。
しかし、近年の自転車サークルロック構造は大きく進化しています。ピッキング対策が施されたディンプルキータイプや、内部シリンダーの精度が向上したウェハータンブラー錠が標準搭載されており、ビニールや針金などの異物を差し込むと内部で千切れて詰まり、二度と鍵穴が機能しなくなる二次災害を招きます。