大型自動二輪免許の取得において、小柄なライダーや女性受講生が最初に恐怖心を抱きやすいのが「足つき」と「引き起こし(倒れた車両を起こす課題)」です。
実際の現場データを検証すると、NC750Lの足つき性は歴代の大型教習車の中でもトップクラスに優れています。先代CB750のシート高が795mm、市販NC750Xが800mmであるのに対し、NC750Lはサスペンションの変更と専用薄型シートによりシート高755mmを実現しています。これは普通二輪教習車のCB400SF(755mm)と全く同等の数値であり、身長160cm前後のライダーでも両足の母指球がしっかりと接地する安心感があります。
一方で、引き起こしに関しては特有のコツを要します。車重は約230kgとCB750と同等ですが、前述の通り重心が低いため、倒れている角度(車体が完全に寝ている状態)から引き起こし始める初期段階では、意外なほどの重みを感じます。
現場の指導員は次のようにアドバイスしています。
「腕の力だけでハンドルを引っ張り上げようとすると、腰を痛める原因になります。NC750は大型エンジンガードが張り出しているため、完全に真横まで寝転がらず、起き上がり角が浅い状態で止まります。自分の腰骨をシートの側面に密着させ、太ももと膝を深く曲げて背筋を伸ばし、足腰の伸展力で車体を押し上げるようにすれば、小柄な方でも難なく引き起こせます。」